ミドル日記の動力源(モーター)こと、谷口です。
その二つ名に相応しいネタを提供できるよう、残り4ヶ月ですが普段から話題作りに励みます。
試合(というより運動会)も楽しかったし、靴ひもはほどけたし、ラストの試合に向けて冬季練習のやる気が入る試合だったなあ。
え?よしふみ明日資格試験?
…( ´∀`)ハハハ
さて、小原くんの日記の最後の部分を真似してみたところで、今回は1人の男の子についてのSS(ショートストーリー)を紹介します。(陸上とは関係ありませんごめんなさい)
それではどうぞ。
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「よろしく!(男の子の苗字)って面白いよね!」
とある1件の女の子からのLINEが、この2人の関係の始まりだった。
会話のテンポはゆっくりで、女の子は30分から1時間くらい間をおいてから返信してくる。
当時中2だった男の子は、返信のテンポが遅いなあと思いつつも、女の子とLINEをすることは密かに憧れていたので、LINEが続いてる間は割と楽しみにしていたようである。
かわいい。
LINEはこの時だけで、リアルで話すことの方が多くなった。
クラスの席が隣だったため、会話する機会が多かった。
女の子がその子以外の男子と話してる姿を、その男の子はあまり見なかったらしい。
男の子は、女の子が喋っていた話の中で興味のないことには適当に相槌を打っていたようで、それを感じとった女の子は、「もうっ!」
って言ってちょっと拗ねてしまっていた。
でも次の日は普通に喋ってきた。
ある日のことである。
女の子「今日何の日か分かる?」
男の子「(女の子が好きな男性アイドル)の誕生日じゃないの?」
女の子「キャーーー」
授業中である。周りに迷惑である。
時々目が合うと、その女の子は男の子に向かって笑顔をむけていた。
その女の子の髪型はいつもツインテールだった。
中3の時も2人は同じクラスになった。
受験生だったため、2人の会話は少なくなっていったが、たまに話したときの笑顔は変わらなかった。
だが、その関係も長くは続かなかった。
高校1年生の頃、学校の行事で偶然再開することになった。
女の子が男の子を見つけ、友達2人を連れて会いに来てくれたのである。
しかし、男の子は他人行儀で軽く会釈をするだけで流してしまった。
女の子は何か言いたげな様子だった。しかし、男の子の様子を見て、友達2人に慰められながら戻っていってしまったのである。
第三者目線からしたら、女の子が何を言いたかったのかはある程度想像できたかもしれない。
しかし、当時の男の子のテンションはどん底だったのである。
思い通りにいかないことがあってとても落ち込んでいた。
1人にしてほしいと思っていた。
他のことを考える余裕なんてなかった。
この時が、面と向かって接した最後の瞬間だった。
今ではもう会う機会がない。
LINEをする機会もない。
その男の子は、大学生になっている今でも時々、あの子のことを思い出す。
なぜあの時、タイミング悪く落ち込んでいたとしても普段通り話せなかったのか。
なぜ女の子が話しかけてきてくれたのか、考えたことはなかったのか。
学校行事の音楽コンクールでピアノを弾く姿。
好きな男性アイドルグループについて喋る時のキラキラした目つき。
当時はただ普通に喋っていただけかもしれない。しかし、その時間がとても楽しかったということを、男の子は月日を経て実感したのである。
…その時のことを思い出す度に胸がチクリと痛み、印象的な笑顔が頭の中をよぎる。
そして、後悔するのである。
もうどうにもならないと分かっているのに、
元には戻れないと分かっているのに、
その男の子は、ふとした瞬間にあの頃のことを思い出してしまう。
そして、自分自身を責めてしまうのである。
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以上、SSでした。
…過去のことは忘れられなくても、前に進めたらいいんだけどね。