台本覚えられない

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オクタデシルホスホン酸単分子膜を修飾したInGaO表面の物性評価と題しまして,EP3研究室谷垣が発表いたします.

 

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気体センサは、現在、工場での安全性の確認やヘルスケアなどさまざまな分野で利用されています。気体センサは、その動作原理からいくつかに分類することができ、スライドに示した方式などが挙げられます。その中でも、半導体方式の気体センサは、長期安定性や低濃度の気体への感度に優れ、安価であるという点から、これまで多くの研究がされてきました。

半導体式気体センサの原理は、図に示す通り、ヒーターで半導体を熱すると、表面に酸素が吸着し、電子の動きが制限されます。そこに還元性ガスが接触すると、吸着していた酸素が消費され、電子が自由に動けるようになります。このような抵抗値の変化を利用して気体検知を行っています。

 

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一方で、特定の気体を検知するセンサであっても、他の気体と反応し、誤作動を起こす可能性があり、気体の選択性が乏しいという点が短所として挙げられます。

そこで、半導体表面にSAMと呼ばれる自己組織化単分子膜を形成することにより、図に示すような気体分子の大きさによる選択性を持たせることができます。

自己組織化単分子膜とは、基板表面上に物理・化学吸着した有機分子が分子間の相互作用によって自発的に集合し、形成される薄膜のことであります。

 

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本研究では、先ほどに述べた通り、気体の選択性を持たせるために、半導体表面のSAMの修飾について調査いたしました。また、図に示すような異なる種類のSAMを修飾した複合単分子膜を実現するために、SAMの部分的な脱離についても調査いたしました。

 

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本研究で使用した基板について説明いたします.

本研究では、500nmの熱酸化膜付n型シリコンを用い、その上に、Al/Ti150nm、そして今回、半導体層には、インジウムガリウムの酸化物であるInGaOを用いました。Al/TiIGOの製膜にはスパッタリング装置を使用いたしました。

そして、図に示す工程でIGO基板を作製いたしました.

その他の条件は御覧の通りです.

 

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今回、SAMとして図に示す、ODPAと呼ばれるオクタデシルホスホン酸を用いました。ODPAは、他のSAMと比較して熱耐久性が強いという特徴があります。

修飾の手順は、ご覧の通りで、基板洗浄を行った後、IGO表面に親水基をつけるためにUVオゾン処理を15分間行いました。その後、エタノールを溶媒とした、1mmol/LODPA溶液を作製し、5分間、IGOを溶液に浸漬させました。そして、最後にエタノールでリンスを行いました。

 

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実験結果を示します。

今回、水の接触角を測定することにより、ODPA修飾を評価しました。ODPAは、疎水性を示すので、修飾できていれば、接触角は大きくなります。

修飾前後で接触角は大幅に増加しており、単分子膜は形成できたと考えられます。一方で、IGOODPA化学結合ではなく、物理吸着している可能性も考えられたので、リンスをした後もう一度、接触角を測定いたしました。結果は、変化がなかったため、IGOODPAは、化学結合しており、今回、修飾に成功したと考えられます。

 

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また、光電子分光装置を用いて修飾前後の仕事関数も測定いたしました。

実験結果は、ご覧通りで、修飾前は、5.42eVでしたが、修飾後は、5.33eVまで低下しました。この低下の原因として、半導体の表面に分極をもつ有機単分子膜が修飾されたからだと考えられます。

 

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続いて、IGO表面のSAMの被覆率の制御についても調査いたしました。

今回、ODPAの修飾手順は、先ほどまでと同様の手順を用いました。また、制御の方法として、UVオゾン処理を用いて、図に示すような、ODPAの部分的な脱離を試みました。

 

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実験結果を示します.図より、横軸のUVオゾン処理時間の増加に伴い、縦軸の接触角は単調に減少していることが分かります。

 

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続いて、接触角をもとに被覆率を算出いたしました。被覆率の算出には、ご覧の式を用いました。

先ほどの接触角と同様に、被覆率は時間とともに、単調に減少していることが分かります。

よって、ODPAの部分的な脱離に成功したと考えられます。

 

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一方で、先行研究によると、UV オゾン処理により活性酸素が生成され、この活性酸素が、図に示すような、ODPAのメチル基をヒドロキシ基、アルデヒド基、カルボキシル基の順に酸化を促進し、アルキル鎖の末端から徐々に脱離が起き、アルキル鎖が短くなるという結果がでており、今回これに該当するのではないかと考えました。

よって、今回、ODPAIGOとの界面から完全に脱離することができないということが分かりました。この解決策として、基板表面にフォトマスクでマスキングをしてからSAMを修飾することが挙げられます。

 

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最後にまとめです.

(わかったことはIGO表面上にオクタデシルホスホン酸単分子膜を形成できるということ,そして、UVオゾン処理を用いて、ODPA単分子膜を部分的に脱離することはできないということです。)

分かったことは御覧の通りです.

今後の方針として2つあります.1つ目はODPAでない他のSAMの修飾についても調査することです.

もう一つは,被覆率を制御するためにUVオゾン処理に代わる新たな方法についても調査することです.

以上で発表を終わります.









とりあえず書きました



対面らしいので、やばいです




頑張れ18日の僕



気が向けば、書き直します